不動産相続の遺留分について!評価額の計算手順も解説

【6月2週目 編集中】不動産相続の遺留分について!評価額の計算手順も解説

親族間で大切な不動産を相続する際、特定の相続人だけに財産が偏ってしまい、「遺留分」に関するトラブルに発展してお困りではありませんか。
遺留分は法律で保障された最低限の財産取得割合ですが、対象が価値のわかりにくい不動産となると適切な評価額の算定が難しく、放置すれば親族間の関係悪化や問題の長期化を招きかねません。
本記事では、遺留分と不動産相続の基本的な仕組みから、複雑な評価額の決め方や計算方法、さらに話し合いで合意できない場合の専門家の活用策について解説します。
将来不動産を相続するご予定があり、未然にトラブルを防いで納得のいく円満な財産分割を実現したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

遺留分とは?

遺留分とは?

不動産相続における遺留分の知識には主に、定義や発生事例、請求の基本的な流れがあります。
まずは、遺留分と不動産相続の基礎知識について、解説していきます。

遺留分の定義と目的

遺留分とは、一定の相続人に最低限の取り分を認め、生活の土台を守るための制度です。
遺言によって財産の渡し方を決められても、残された家族への配慮まで失われるわけではありません。
そのため民法では、配偶者や子、代襲相続人、直系尊属に一定割合の権利が認められています。
一方で、兄弟姉妹には遺留分がないため、誰が対象かを最初に確認しておくことが大切です。
総体的遺留分は原則として遺産全体の2分の1で、直系尊属のみなら3分の1になります。
さらに、法定相続分を掛け合わせることで、各相続人の具体的な取り分を把握できます。

発生する事例

不動産相続で遺留分の問題が起こりやすいのは、遺産の多くを土地や建物が占めやすいためです。
たとえば、実家を1人だけに相続させる遺言があると、ほかの相続人の取り分が足りなくなることがあります。
現金は分けやすい一方で、不動産はそのまま分けにくく、評価額でも意見が分かれやすい傾向にあります。
さらに、生前贈与がある場合は計算に影響し、相続人への贈与は相続開始前10年分、第三者への贈与は原則1年分が対象です。
過去に土地や建物を受け取った方がいれば、その内容や時期まで丁寧に確認しておきましょう。

侵害額請求の全体像

遺留分が侵害されているかもしれないと感じたら、まず遺言書や生前贈与の内容を確認しましょう。
次に、相続人の範囲や遺産の内容を整理し、請求額を考えるための準備を進めていきます。
この請求権には、侵害を知ったときから1年、または相続開始から10年という期限があるため注意が必要です。
時効を避けるため、相手へ請求の意思を明確に伝える方法として、内容証明郵便がよく使われます。
その後は評価額や支払額、支払方法を話し合い、合意できた内容を書面で残していきます。
なお、2019年7月以降は不動産の持分ではなく、金銭で不足分を求める仕組みに整理されました。

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遺留分計算に必要な不動産評価額の決め方

遺留分計算に必要な不動産評価額の決め方

前章では、遺留分の基礎知識について解説しましたが、実際に計算するには、具体的な評価額が必要になります。
ここでは、遺留分における不動産評価額の決め方や、計算の手順について解説します。

評価額の調べ方代表例

遺留分の計算で基準になるのは、相続開始時点における不動産の時価、つまり市場で見た客観的な価格です。
ただし、不動産には複数の価格の見方があり、どの数字を見るかで印象が変わることも少なくありません。
たとえば、路線価は相続税や贈与税の計算で用いられ、時価より低めに出る傾向があります。
固定資産税評価額は納税通知書などで確認しやすく、価格の目安をつかむ入口として便利です。
また、地価公示価格や基準地価は、周辺相場を見比べる際の参考資料として役立ちます。
より客観性を重視したい場合は、不動産鑑定士による鑑定評価を検討すると、話し合いが進めやすくなるでしょう。

合意形成の過程

実際の協議では、請求する側は高めの評価を考えやすく、支払う側は低めの評価を望む傾向があります。
そのため、まずはどの資料を基準に話すのかをそろえ、同じ土台で比較できる状態を整えることが大切です。
仮の時価を考える方法としては、固定資産税評価額を0.7で割り戻す、路線価を0.8で割り戻す見方があります。
また、不動産会社の査定書を参考にしながら、相場とかけ離れていない価格帯を探る進め方もあります。
共通の資料を見ながら話し合えば、感覚だけの主張になりにくく、説明の行き違いも減らせるのです。
税務上の評価額は便利ですが、遺留分で求められる時価と同じとは限らない点は、押さえておきましょう。

侵害額の計算例解説

たとえば、遺産が自宅不動産と現金1,000万円で、相続人が長男と次男の2人という場面を考えてみましょう。
父が全財産を長男に相続させる遺言を残していた場合、次男の遺留分は遺産全体の4分の1となります。
ここで大切なのは、不動産の評価額によって請求できる金額が大きく変わる点です。
不動産評価額が3,000万円なら遺産総額は4,000万円となり、次男の請求額は1,000万円になります。
一方で、評価額が5,000万円なら遺産総額は6,000万円となるため、請求額は1,500万円に増えます。
同じ物件でも前提となる評価が違えば結果は変わるため、計算前に基準を丁寧に確認することが欠かせません。

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評価額が決まらない場合の解決策

評価額が決まらない場合の解決策

ここまで、不動産評価額の決め方を解説しましたが、話し合いがまとまらない場合の対処法もおさえておきましょう。
最後に、評価額が決まらないときの専門家活用と解決策について、解説していきます。

不動産鑑定士の活用

評価額について見解が大きく分かれるときは、不動産鑑定士に依頼して客観的な時価を示してもらう方法があります。
不動産鑑定士は、立地や法規制、周辺相場、市場動向などを踏まえて鑑定評価書を作成する専門家です。
鑑定評価書は根拠が整理されているため、当事者同士の協議だけでなく、裁判手続きでも使いやすい資料になります。
無料査定よりも説明の裏付けが明確になり、双方が同じ基準で検討しやすい点も大きなメリットです。
費用は、一般的な住宅で30万円〜50万円ほどが目安で、物件の内容によって変わることがあります。
作成には1か月〜2か月程度かかるため、請求額とのバランスを見ながら依頼を考えると良いでしょう。

家裁の調停・審判

当事者同士の話し合いでまとまらないときは、家庭裁判所の調停を利用して中立的な場で協議を進めます。
遺留分の争いでは、まず調停で解決を目指す流れを知っておくと、全体の見通しを立てやすくなります。
申立てでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本などが基本資料です。
そのほか、遺言書の写しや不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書もそろえておくと進めやすくなります。
査定書や鑑定書があれば評価額の根拠として提出しやすく、争点の整理にも役立つでしょう。
調停でもまとまらない場合は、訴訟へ進んで判断を求める流れになります。

弁護士相談の進め方

弁護士へ相談する時期は、遺留分の侵害に気づいた直後や、評価額の協議が長引きそうだと感じた段階が目安です。
時効は知ったときから1年と短いため、早めに相談すれば通知や資料収集の進め方を整理しやすくなります。
早い段階で方向性を確認しておくと、内容証明の送り方や交渉の見通しも考えやすくなるでしょう。
相談前には、相続関係説明図や財産目録、不動産資料、これまでのやり取りをまとめておくと伝わりやすくなります。
争点や希望する解決方針が整理されていれば、受けられる助言もより実務に沿った内容になっていきます。

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まとめ

遺留分は相続人に保障された最低限の権利で、不動産相続では侵害されやすく、時効の1年以内に不足分を金銭で請求する必要があります。
請求額は不動産の時価で大きく変わるため、複数の評価基準から双方が納得できる共通資料で合意形成を図ります。
評価額の話し合いがまとまらない場合は、不動産鑑定士や家庭裁判所の調停を活用し、期限前に早めに弁護士へ相談しましょう。

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