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【令和8年度】相続登記義務化で何が変わる?不動産相続人が今知るべき実務ポイント

相続登記義務化

山本 健太

筆者 山本 健太

不動産キャリア11年

大手ハウスメーカー営業を7年、大手FC不動産仲介会社を2年経験し開業。
不動産仲介業を軸にドクターの開業支援に取り組んでいる。
相続や土地活用事業にも知見を持ち、多方面からの情報取得に強み。

当社の強みは『課題解決力』です。
不動産取引において、金額だけが重要ではありません。多岐にわたる考慮すべきポイントを先回りして提示・解決することに付加価値を感じていただけるよう、努めてまいります。

不動産を相続したものの、相続登記義務化と聞いて何から手を付ければよいか不安に感じている人は少なくありません。
2024年4月1日から相続登記は原則として義務となり、不動産相続人は一定の期限内に手続きを済ませる必要があります。
相続を知った日から3年以内という期限や、過去に相続した不動産も対象となる経過措置、さらに義務違反時の過料など、押さえるべきポイントは多岐にわたります。
しかし、基本的なルールと手続きの流れを理解しておけば、落ち着いて準備を進めることは十分可能です。
この記事では、不動産相続人が知っておきたい相続登記義務化の概要から、具体的な進め方やリスクへの備え方まで、実務目線でわかりやすく解説していきます。

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相続登記義務化の概要と不動産相続人の影響

相続登記の義務化は、不動産登記法の改正により2024年4月1日から始まった新しい仕組みです。
相続登記とは、相続や遺贈により取得した土地や建物の名義を、法務局で相続人名義へ変更する手続きのことです。
この義務化は、居住用・事業用を問わず、土地や建物など登記されている不動産全般が対象です。
所有者不明土地の増加を抑え、不動産の利用や売却を円滑にすることが目的とされています。

新しい制度では、不動産を相続により取得した相続人が、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務付けられました。
この「相続を知った日」は、被相続人の死亡や遺言の存在を認識し、自分が不動産の所有権を取得したことを把握した時点と整理されています。
また、遺産分割協議がまだまとまっていない場合でも、一定の方法で義務を果たせる制度が用意されています。
そのため、相続人は早い段階から不動産の有無や相続関係を確認しておくことが大切です。

相続登記義務化の重要な点として、制度開始より前に発生していた相続も対象となる経過措置があります。
施行日前に相続が発生していた場合、2024年4月1日または相続により不動産を取得したことを知った日のうち、遅い日から3年以内に相続登記を行う必要があります。
長年放置されていた名義を書き換えることが求められるため、古い登記簿や固定資産税の通知書などを確認しながら、対象不動産を整理することが重要です。
特に、過去の相続を複数回経ている場合は、相続関係の確認に時間を要することが多いため、早めの準備が求められます。

義務化に違反した場合の過料も、不動産相続人が必ず把握しておきたいポイントです。
正当な理由なく申請を怠ったときは、不動産登記法の規定により10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
また、相続登記を行わないまま放置すると、将来の売却や担保設定が難しくなり、結果的に資産としての活用が制限されるおそれがあります。
このようなリスクを避けるためにも、制度の概要を理解し、期限内に適切な手続きを進めることが重要です。

項目 内容 不動産相続人への影響
開始時期 2024年4月1日施行 過去分も含め手続き必要
申請期限 取得を知った日から3年 早期の相続内容確認が必須
違反時の過料 10万円以下の過料 放置による金銭的リスク
コーポレートサイトはこちら

不動産相続人が知るべき相続登記の手続きの流れ

相続登記を進めるためには、まず必要書類を整理して集めることが大切です。
代表的なものとして、被相続人と相続人の戸籍全部事項証明書、相続人の住民票の写しが挙げられます。
これらは市区町村役場の窓口や郵送などで取得することができます。
さらに、不動産の固定資産評価証明書は市区町村の税務担当窓口で交付され、登録免許税の計算などに用いられます。

相続登記の申請書作成では、遺言の有無によって用意する書類や記載内容が変わります。
遺言がある場合は、その遺言書の方式に応じて検認済証明書などを含めた添付書類が必要になります。
一方、遺言がない場合は、相続人全員で話し合って作成した遺産分割協議書や相続人全員の印鑑証明書などを添付する形で申請書を整えます。
このように、相続関係や分割方法を示す資料をそろえたうえで、法務省が公表している記載例などを参考に申請書を作成していきます。

申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局であり、窓口・郵送・オンラインのいずれかの方法を選ぶことができます。
オンライン申請の場合でも、戸籍関係書類など一部の添付書類は後日郵送または持参する必要があります。
相続登記の登録免許税は、原則として不動産の固定資産税評価額に税率0.4%を乗じて計算し、その額に相当する収入印紙を申請書に貼付して納付します。
必要書類がそろっていれば、登記完了までの期間は、法務局の混雑状況などにもよりますが、一般に数週間程度を要するとされています。

手続き段階 主な必要書類 相続人の確認ポイント
事前準備段階 戸籍全部事項証明書一式 相続人と相続関係の確定
分割方法の決定段階 遺言書又は遺産分割協議書 誰がどの不動産を取得するか
申請書作成段階 住民票と固定資産評価証明書 登記名義人と登録免許税額
法務局申請段階 登記申請書と添付書類一式 窓口・郵送・オンライン方法

相続登記義務化で変わる不動産管理と相続人申告登記の活用

相続登記を長期間行わずに放置すると、不動産の名義と実際の所有者が一致しない状態が続きます。
その結果、売却契約の締結や住宅ローンの担保設定をしようとしても、登記名義人全員の関与が必要となり、手続きが進まないおそれがあります。
また、相続人の一部と連絡が取れない場合、管理方針の決定自体が難しくなり、空き家や遊休地として放置されることにつながります。
こうした状態は、固定資産税だけを負担し続ける一方で、不動産の有効活用ができないという管理上の大きな不利益になります。

相続登記義務化にあわせて、新たに設けられた仕組みが「相続人申告登記」です。
これは、登記名義人の法定相続人であることを相続人が法務局に申し出ることで、相続登記の申請義務を簡易に履行したものと扱われる制度です。
相続人申告登記は、戸籍等を確認したうえで、自分が登記名義人の相続人であることを申告し、登記官が氏名や住所などを登記簿に表示するという報告的な登記とされています。
遺産分割協議がまとまらず所有権移転登記まで進められない場合でも、この制度を利用しておくことで、過料の対象とならないよう義務を果たすことができます。

相続登記義務化の背景には、いわゆる所有者不明土地問題があります。
登記名義人の死亡後も相続登記が行われないまま年月が経つと、相続人の範囲が複雑になり、土地の利用や公共事業、災害復旧などが円滑に進まない事態が生じると指摘されています。
そのため、不動産を相続した場合には、早期に相続人同士で話し合いを行い、遺産分割の内容を整理したうえで、相続登記または相続人申告登記を行っておくことが、将来の紛争予防に直結します。
自分の代だけでなく、次の世代に管理しやすい不動産を引き継ぐための基盤として、登記情報を最新の状態に保つ意識が重要になります。

項目 相続登記義務化との関係 不動産相続人の注意点
不動産の売却・活用 登記未了で契約手続き停滞 早期の相続登記で円滑処分
相続人申告登記 申請義務の簡易な履行手段 遺産分割未了時の過料回避
所有者不明土地問題 放置相続登記が増加要因 世代を超えた登記更新意識

相続登記義務化への備えと不動産相続人の実務チェックリスト

相続登記義務化の下では、不動産を相続した相続人が、自分が取得した不動産の内容を早期に把握しておくことが重要です。
具体的には、土地と建物の有無、所在地、地番や家屋番号、現在の登記名義人の氏名、固定資産税の課税状況などを一つずつ確認していきます。
固定資産税の納税通知書や、法務局で取得する登記事項証明書、公的機関で発行される固定資産評価証明書を照らし合わせることで、相続対象となる不動産の範囲と評価額を整理できます。
この確認作業を早めに行うことで、その後の遺産分割協議や相続登記の申請に向けた準備がスムーズになります。

相続登記の申請義務は、不動産を相続により取得したことを知った日から3年以内に登記を行うこととされています。
そのため、不動産相続人は遺言書や遺産分割協議書の作成時期、必要書類の収集期間、専門家への相談時期などを含めた全体のスケジュールを意識しておくことが大切です。
相続人が複数いる場合には、連絡先の共有、話し合いの場の設定方法、協議内容の記録方法を決めておくことで、認識のずれや感情的な対立を避けやすくなります。
また、遺産分割協議が長引きそうな場合には、期間内に相続人申告登記を利用して義務を果たす選択肢も視野に入れて検討すると安心です。

相続登記義務化に備えるためには、相続開始後の対応だけでなく、生前の段階から準備しておくことも有効です。
例えば、公正証書遺言などの遺言書を作成し、誰にどの不動産を承継させるかを明確にしておけば、相続人同士の協議負担を軽減できます。
あわせて、固定資産税の納税通知書や登記事項証明書を基に、不動産を含めた財産目録を整理し、保管場所を家族に伝えておくことも大切です。
さらに、法務局が設けている相談窓口や、公的機関の情報提供を活用し、相続登記の義務や相続人申告登記、所有者不明土地問題に関する最新の制度内容を早めに確認しておくことで、実務上の不安を減らすことができます。

場面 主な確認事項 活用したい公的情報
相続発生直後 不動産の有無と登記名義 登記事項証明書・固定資産税通知
3年以内の対応 相続登記か相続人申告登記 法務省相続登記義務化特設情報
生前の準備段階 遺言内容と財産目録整理 政府広報オンライン解説記事

まとめ

相続登記義務化により、不動産を相続した方には、相続を知った日から3年以内に登記を済ませる責任が生じました。
放置すると過料だけでなく、売却や活用ができないなど将来の不利益も大きくなります。
必要書類の収集や相続人同士の話し合い、相続人申告登記の検討など、早めの準備がとても重要です。
当社では、状況整理から手続きの流れ、必要書類のチェックまで丁寧にサポートいたします。
「何から始めればよいか分からない」という段階でも構いません。
まずはお気軽にご相談ください。


この記事の執筆者

このブログの担当者 山本健太 

◇ 保有資格
宅地建物取引士,賃貸不動産経営管理士

◇ キャリア:10年

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