成年後見人の不動産売却について!申立てと注意点も解説

ご家族が認知症などで判断能力が低下してしまい、施設への入所費用や生活費のために不動産を売却できずにお困りではありませんか。
ご本人名義の不動産はご家族であっても勝手に売却できず、そのまま放置すれば建物の老朽化が進み、維持費や税金の負担ばかりが重くなってしまいます。
本記事では、このような状況を解決できる「成年後見制度」を利用した不動産売却の基礎知識から、申立ての手続き、売却時の注意点について解説します。
大切なご家族の資産を守りながら、安全かつスムーズに不動産の売却を進めたいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。
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成年後見制度とは?

不動産売却に向けて成年後見制度を利用する際、まずは制度の目的や種類といった基本を押さえる必要があります。
ここでは、成年後見制度の概要や、利用するメリットについて解説します。
制度の創設背景と目的
成年後見制度は、認知症や障害などで判断能力が十分でない方の暮らしと財産を守るための仕組みです。
2000年に始まり、本人の意思をできるだけ尊重しながら必要な支援を受けられる制度へ整えられました。
また、財産を保管するだけでなく、医療費や介護費など本人の生活に必要な支出へ活用できる点も大切です。
不動産売却も、本人の生活を支える資金づくりとして必要性を説明できれば、前向きな選択肢になります。
そのため、ご家族は制度の目的を理解し、本人の利益を第一に考えながら、資産をどう活かすかを落ち着いて判断することが重要です。
制度への理解があると、ご家族だけで抱え込まずに対応できます。
法定後見と任意後見
成年後見制度には、判断能力が低下した後に使う法定後見と、元気なうちに備える任意後見があります。
法定後見は家庭裁判所へ申立てをおこない、本人の状態に応じて後見人などが選ばれる仕組みです。
また、後見人には取消権などが認められるため、不利な契約から本人の財産を守りやすくなります。
一方で、任意後見は本人が信頼できる相手と事前に契約し、将来の支援内容を決めておく方法です。
不動産売却を考える段階で判断能力が低下している場合は、多くの場合、法定後見の利用を中心に検討することになります。
早めに違いを把握しておくと、必要な準備も迷いにくくなります。
不動産売却のメリット
判断能力が低下した本人名義の不動産は、家族だけの判断で売却することはできません。
しかし、成年後見人が適切な代理権を持って契約すれば、買主や不動産会社も安心して手続きを進められます。
さらに、売却の必要性や価格の妥当性を家庭裁判所へ示すことで、取引の透明性も高まります。
売却代金は、本人の医療費や介護費、施設費用などに充てられるため、生活を支える資金として役立つでしょう。
正しい手順を残しておけば、親族間の不安や後日のトラブルを防ぎ、本人のための売却だったと説明しやすくなります。
空き家のまま維持する負担を減らせる点も見逃せません。
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成年後見申立ての手続きと準備

前章では、成年後見制度の基本について述べましたが、実際の申立てには準備が必要になります。
ここでは、申立てから完了までの流れや、必要書類について解説します。
申立ての流れと期間
申立てでは、まず本人の判断能力や財産状況を確認し、診断書や財産資料などを準備しましょう。
書類がそろったら、本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ成年後見開始の申立てをおこないます。
その後、申立人や後見人候補者との面接、本人への調査、親族への意向確認が実施されることがあります。
また、必要に応じて医師の鑑定がおこなわれるため、想定より時間がかかる場合もあるでしょう。
審判が確定し後見登記が完了すれば、登記事項証明書で後見人の権限を証明でき、不動産会社との相談も進めやすくなります。
売却時期に影響しやすいため、余裕を持った準備が安心です。
必須書類の入手方法
申立てに必要な戸籍謄本や住民票は、市区町村役場で発行から3か月以内のものを取得します。
医師の診断書や本人情報シートは、本人の判断能力や生活状況を裁判所へ伝える重要な資料です。
また、預貯金や不動産、有価証券、負債などを整理した財産目録も欠かせません。
不動産については、法務局で登記事項証明書を取得し、固定資産評価証明書もあわせて準備します。
通帳のコピーや年金通知書、医療費の領収書などもそろえ、収入と支出を客観的に説明できる状態にしておきましょう。
不足があると追加取得が必要になるため、早めの確認が大切です。
申立て費用と注意点
申立てに必要な実費は、収入印紙や郵便切手代などを含めて約8,000円~1万円が目安です。
ただし、医師による鑑定が必要な場合は、別途5万円~10万円ほどかかることがあります。
さらに、司法書士や弁護士に依頼する場合は、書類作成や手続き支援の報酬も見込んでおきましょう。
後見人が選ばれた後の報酬は、財産額や事務内容を踏まえて家庭裁判所が決定します。
候補者を立てても別の専門職が選ばれることがあるため、書類の不足確認と費用計画を早めに進めることが、売却準備の遅れを防ぎます。
不安がある場合は、申立て前に専門家へ確認すると安心です。
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成年後見人による不動産の売却方法

ここまで、申立ての準備や流れを解説しましたが、実際の売却手順や実務についても把握しておきましょう。
最後に、成年後見人がおこなう不動産売却の流れや、その後の対応について解説します。
売却手順と家裁許可
成年後見人が不動産を売却する際は、まず物件が居住用か非居住用かを確認します。
本人が以前住んでいた自宅や、施設入所後も戻る可能性のある家は居住用不動産に含まれます。
そして、居住用不動産を売却する場合は、民法の規定により事前に家庭裁判所の許可が必要です。
この許可は、本人の生活基盤に関わる判断を客観的に確認する意味があります。
介護費や生活費の確保など、本人の利益につながる売却であることを、査定書や収支資料で示しましょう。
非居住用でも、本人の利益を説明できる資料づくりは大切です。
売却活動と契約実務
売却活動は、不動産会社へ査定を依頼し、物件の市場価値を把握することから始まります。
成年後見人には善管注意義務があるため、価格の根拠や販売方針を慎重に確認する姿勢が欠かせません。
そのうえで、信頼できる不動産会社と媒介契約を結び、広告掲載や買主探しを進めます。
室内の家具や荷物を整理する場合は、見積書や領収書を保管して支出の根拠を残しましょう。
なお、居住用不動産では家庭裁判所の許可を前提にした停止条件付売買契約を用いるのが一般的で、許可後に決済へ進みます。
契約内容は後から説明できるよう、記録を残すことも重要です。
代金管理と報告義務
売買契約後は、契約書などの資料を添えて居住用不動産処分許可の申立てをおこないます。
許可の審判を受けた後、残代金の決済や所有権移転登記を済ませ、物件を引き渡します。
受け取った売却代金は、本人専用の口座で管理し、医療費や介護費など本人のために使うことが原則です。
また、売却完了後は契約書のコピーや精算明細を添えて、家庭裁判所へ速やかに報告します。
譲渡益が出た場合は翌年の確定申告が必要になることもあるため、早めに資料を整理し、税理士などへ相談すると安心です。
売却後の管理まで見据えることで、手続き全体が安定します。
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まとめ
成年後見制度は、判断能力が不十分な人の生活や財産を守り、介護費用などのために安全で透明性の高い不動産売却を進められる仕組みです。
申立てには戸籍謄本や診断書、財産目録など多くの書類を家庭裁判所へ提出する必要があり、完了まで通常1か月~3か月ほどかかります。
自宅などの居住用不動産を売る際は、事前に家庭裁判所の許可を得て、売却代金は本人名義の口座で管理し、医療費や介護費に使います。
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